2016年に「IR(統合型リゾート)推進法案」、いわゆる「カジノ法案」が成立してから8年。
いまだに「日本に初のカジノがオープン!」というニュースは聞こえてこず、「日本のカジノは結局どうなったの?」と気になっている方も多いはず。
2024年3月時点で決定しているのは大阪の夢洲に2030年頃、カジノを含む統合型リゾート施設がオープンする予定ということです。
実際にカジノがオープンするまではあと数年かかる見込みですが、具体的な整備計画がまとまってきました。
当ページでは決定しているカジノ候補地や、IR計画が進んでいる自治体そしてこれまでの経緯をまとめて解説します。
結論から申し上げると、2024年9月現在、日本カジノができる場所は大阪府大阪市にある夢洲です。
2018年7月20日に「IR整備法」が成立してから、多くの自治体がカジノ候補地をして名乗りを上げました。
横浜とか東京のお台場とか、当初は誘致を表明していた自治体はたくさんありましたよね・・
誘致を名乗り出た自治体は多くありましたが、期間内に正式な申請を行ったのは大阪府と長崎県だけでした。
最終的に残っていたのは大阪府と長崎県。
長崎県については、2023年12月に国から不認定の決定がなされました。
そのため、大阪の夢洲のみが現時点で日本のカジノができる場所となります。
認定された大阪府と不認定だった長崎県、日本カジノ候補地として明暗が分かれた二つの特徴を解説します。
夢洲は大阪市が作った埋立地であり、2025年に開催予定の万博会場としても知られています。
2023年4月に国土交通省が大阪府と大阪市のIR区域整備計画を認定しました。
大阪のIRは、カジノ施設とホテル3つと国際会議場で構成される予定です。
ポイント | 内容 |
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来場者数見込み | 年約2,000万人 |
年間売り上げ見込み | 約5,200億円(うちカジノ4,200億円) |
候補地としての強み |
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改善が必要な課題 | 埋め立て地であるため地盤に懸念事項あり |
大阪のカジノは2030年秋ごろの開業に向けて建設工事を含めた準備を進めています。
大阪にできるカジノ事業者は、大阪IR株式会社です。
アメリカのMGMリゾーツ・インターナショナル日本法人とオリックスを中核株主とする合同会社です。
MGMはアメリカに本社を置く統合型リゾート運営会社です。統合型リゾートの運営を幅広く手掛けている会社なので、どんなカジノができるか楽しみですね。
長崎県は、佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」隣接地にIRの誘致を目指し、2022年4月に整備計画を申請していました。
計画では年間約840万人の来訪を想定、初期投資額は4383億円を見込み、2027年頃の開業を目指していました。
ポイント | 内容 |
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候補地としての強み |
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改善が必要な課題 | 2023年に一度不認定になっている |
ハウステンボスのカジノについては、開業の時期は未定です。
2023年12月、長崎県の提出した計画がIR整備法に基づく基本方針の要求基準に適合していないとして不認定を決定したためです。
「資金調達の見通しが不明瞭」であることや「投資家優先」の事業計画に懸念がみられたことが不認定の理由です。
現時点で長崎県の大石知事は、IR計画を継続するかどうかまだ結論を出していません。そのため、ハウステンボスのカジノは次期の誘致で再度、誘致を表明する可能性を残しています。
法案の成立から現在までの経緯をまとめました。
また、今回のIR誘致の第1期の申請期間は2022年4月28日に終了していますので大阪と同時期に開業するカジノはありません。
そのため、現時点で決定している日本カジノの場所は大阪府の夢洲(ゆめしま)のみとなります。
ただし、IR整備法により最初のIR認定から7年が経過した時点で見直しを行うことが決まっています。日本国内にカジノを設置できる数は現時点では3か所に限られていますが、今後増える可能性もあるということです。
今回は不認定だった長崎県はもちろん、他のIR候補地として挙げられていたがすでに撤退をした自治体については、今後IR計画を継続する可能性はあります。
IR推進法が成立し、当初はさまざまな自治体が日本カジノ候補地として名乗りを上げました。
IRを設置できるのは日本国内で3か所までと決まりましたよね?
その通りです。今回、最終的に申請をしたのは大阪府大阪市と長崎県佐世保市の2自治体のみとなりました。元々カジノを3か所に作るという決定ではなく、条件が揃った上で審査を通過した自治体でカジノを開業できるということなんです。
IR誘致を表明したにもかかわらず、最終的には見送った他の日本カジノ候補地およびその理由をまとめました。
自治体名 | 誘致を表明した時期 | 撤退を表明した時期 | 理由 |
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神奈川県横浜市山下ふ頭 | 2019年 | 2021年9月 | 地元で力を持つハーバーリゾート協会や市民からの強い反対 |
東京都港区お台場 | 2019年 | 2021年7月 |
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和歌山県マリーナシティ | 2021年7月 | 2022年4月 |
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北海道苫小牧市 | 2019年 | 2021年3月 | 環境および生態系保護のため |
千葉県幕張市 | 2019年 | 2020年1月 |
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今後カジノが誘致される可能性のある自治体を紹介します。
東京都は、石原慎太郎元知事が打ちだしたカジノ構想に始まり、長らくIR誘致に積極的な動きを見せていました。
お台場は羽田空港から近く、インフラが整ったすでに人気の観光地であることからIRの誘致に適した場所であると言えます。
現職の小池百合子都知事はカジノに関して明言を避けているように見えますが、将来的にIR誘致に動き出す可能性はあります。
環境への影響や新型コロナウィルスへの対策などで十分な準備時間が取れず、誘致の見送りを決定したのが苫小牧市。
ただし知事によるとIR実施法が定める再チャンスに応じる可能性を残しているため、次期に期待される日本カジノの候補地です。
北海道では、苫小牧の他に釧路と留寿都(ルスツ)も誘致を表明していました。
IR誘致に際して、注目を集めた施設を紹介します。
長崎ハウステンボスは、日本の長崎県に位置するオランダ風のテーマパークです。
IR候補地として挙がったことから再度注目を集めました。
風車、運河、宿泊施設、レストラン、ショッピングエリアなどオランダの街並みや建造物を模したエリアやアトラクションがあり、観光客に人気のスポットとなっています。
残念ながら今回は日本IRの候補地として不認定となりましたが、ハウステンボスの隣にリゾート施設ができれば、観光客にとってさらに魅力的な場所となるはずです。
次は、カジノ法案についておさらいしましょう。
「IR推進法(カジノ法案)」とは、カジノ施設を含む「統合型リゾート」=Integrated Resort(IR)を日本に導入するための法案です。
正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」で、この「特定複合観光施設」を「IR(統合型リゾート)」と呼びます。
日本国内におけるカジノの合法化を実現し、カジノはもちろんホテルやショッピングセンター等を含む統合型リゾート施設の建設・運営を規定するものです。
IR推進法が「カジノ法案」とも呼ばれているため、IR=カジノというイメージをお持ちの方も多いでしょう。
特定複合施設で運営される業態は以下の通りです。
このように、IRは複数の施設が合わさった観光地であり、カジノはあくまでもその中の一つという位置づけになります。
また、IR推進法案ではカジノ施設の面積がリゾート全体の3%以下になるように定められています。
日本IRの参考となった海外で成功しているIRを例を見てみましょう。
マリーナベイ・サンズは、三つの巨大ビルとその上に架かる船のようなデザインが印象的な統合型リゾート施設です。
海を臨む眺望が素晴らしい豪華なホテル、高級ブランドが軒を連ねるショッピングモールや著名なシェフによるレストランにカジノが揃い、シンガポールを代表する観光スポットになっています。
1998年に開業したラスベガスを代表する高級大型カジノホテルです。運営は大阪IRの事業者として選定されているMGM。
ホテル正面で行われる噴水ショーは見覚えのある方も多いはず。また、日本でも人気の「シルクドソレイユ」のショーもベラッジオの劇場で開催しています。
劇場、美術館、植物園、ショッピングモールやプールも備える高級リゾートです。
日本にカジノを含む特定複合施設を作る目的は、以下の通りです。
カジノを含む統合型リゾート施設の整備により、日本の観光産業が活性化することが期待されます。観光客の誘致や滞在時間の延長、地域の観光スポットとの連携などが経済効果をもたらします。
カジノ施設の建設や運営に伴い、地域経済が活性化する可能性があります。雇用の創出や周辺産業の発展、観光客の増加による地域への経済的波及効果が期待されます。
カジノ業界からの税金収入が増加することで、国や地方自治体の財政が改善される可能性があります。これにより、公共サービスの向上や社会福祉の充実が図られることが期待されます。
カジノを含む統合型リゾート施設の整備により、日本が国際的な観光産業の中で競争力を強化し、アジア圏内の観光地との差別化を図ることができます。
日本の自然や文化、歴史的資源などを活用した統合型リゾート施設が整備されることで、観光資源の活用が促進され、日本の魅力が世界に向けて発信されます。
このように、日本にIRを作ることで、観光業の振興や地域経済の活性化、地域の魅力向上など複数のメリットが期待できます。
カジノ推進法には、デメリットも存在します。
メリットよりデメリットが大きいと判断し、撤退を決めた自治体もあります。
主なデメリットは以下の通りです。
観光客が増えることによって、近隣地域の治安悪化が懸念されています。また、カジノという新たな合法ギャンブルが、反社会勢力の関与および犯罪やトラブルの増加をもたらす可能性が危惧されています。
日本はギャンブル大国と言われ、競馬や競輪、競艇など公営ギャンブルやパチンコなどギャンブル人口が多い国です。
ただ、ギャンブル依存対策については先進国の中では後れを取っています。
そんな中でカジノができれば、依存症に陥る人が増加するのではという懸念があります。
ギャンブル依存問題に関しては、政府がカジノ事業に規制を行い入場規制を設定することなどすでに対策を進めています。
カジノを含む統合型リゾート施設が周辺地域のイメージや風評に影響を与える可能性があります。地域の伝統や文化、環境への影響も懸念されます。
カジノがマネーロンダリングに利用される恐れもあります。
犯罪などによって不正に得たお金や反社会的勢力がその活動により得たお金を、架空口座などを使って転々とさせ、その出所をわからなくすることをいいます。
日本はまだまだマネロン対策が甘いということが言われており、このような状態でカジノを作ってしまうと、マネロンの温床になってしまうおそれがあります。
このように、カジノ推進法のデメリットは深刻な犯罪や社会問題に繋がる恐れがあるものです。
カジノ整備法の実施および運営にはギャンブル依存症対策はもちろん社会的責任の観点から、十分な支援や対策が必要です。
このような問題への対策もカジノ推進法に含まれており、カジノ事業者に対して規制をかけることが決まっています。
カジノ事業の規制については、IR整備法で定められています。
日本国内においてカジノを運営するためには、政府からの免許が必要となります。ライセンスの取得には、運営者の信頼性や適格性を審査する過程が含まれています。
オンラインカジノと同じで顧客に安全にプレイしてもらうためにライセンスの取得やその他規制が色々あるのですね!
IR実施法では「連続する7日間のうち3日以上、28日間のうち10日以上」入場することは出来ないと定められています。
これはマイナンバーカードにより管理すると決められています。
また外国人観光客の入場は無料ですが、日本人や在留外国人には6,000円のカジノ入場料が発生します。
入場料はギャンブル依存症対策の一環として利用されます。
公平性を保つため、特定カジノ業務を行う場合およびそれらを監督する業務に関して、3年ごとに認定を受けた者のみが従事できます。カジノ管理委員会は特定カジノ業務を適切に遂行する能力があり、かつ社会的信用が十分であるかどうかを審査した上で従業員を雇用します。
カジノ業界の機器メーカーや関連企業は、カジノの運営や公正性に大きな影響を与える重要な立場にあります。そのため、カジノ運営者が自由に機器メーカーを選択することは不正防止の観点から適切ではなく、メーカーはカジノ管理委員会からの認可を得る必要があります。
ギャンブル依存症および未成年者の利用への対策として、IR区域外でのカジノ広告は原則禁止となります。
ギャンブル依存症への対策として、カジノ施設内にATMを設置しないことが決定しています。
当ページでは、日本のカジノ候補地について解説しました。
日本で最初にカジノができる場所は『大阪府大阪市の夢洲』に決定しており、現在は2030年秋頃の開業を目指して準備が進んでいます。
日本に初めて開業するカジノでプレイすることを楽しみにされている方も多いでしょう。
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